長谷川等伯回顧展

京博が金曜日は8時までやっているという情報を聞きつけて、非常勤終わりに「長谷川等伯展」を見に行った。

サイトを見たら「夕方がおすすめです」とあったので、それなりに空いてるのかな、と思ってたら大間違い。6時過ぎについて、普通に40~50分待ち。

他の人らもごにょごにょ言ってたけど、私も「雪舟展」思い出しました。そのくらい並んでる。

ま、でもそれなりにじっくりと鑑賞できたし(前半半分だけだけど)、いい作品も多かったので満足ですがね。(まあ、後半見に早起きしてもう1回行くのは確か)

久々に絵を見て、胸が高鳴りました。

まあ、残念なことに(ここでやる限り宿命なんだが)、大きな作品は当然ながら見るスペースがなく。そして、硝子に大量の人がへばりついているので、全景を見るのはほぼ不可能なわけで。

まあ、それでも閉館まで30分を切るとちょうど折り返し直前にある「楓図」と「松に秋草図」はかなりゆったりと眺めることが可能です。

「楓図」は構図が非常に見事。わちゃわちゃ細かく書いてあるのに、まったくウルサくない。この感覚は非常に不思議。よくわからんが感動します(弘前城の桜に似ているかも。花の量が多いのに、専門的に剪定されているので、ちっともうるささがない)。

柳橋水車図屏風」にも同じ感覚がある。柳の葉が細かくたくさん書き込まれているのに、全然ウルサくない。

是非、これらはある程度の距離をもって全体を目に入れたい(ま、ほぼ反対側の壁にいかないと無理だけど。おかげで、対面にある「波濤図」の近くに「楓図」を見る人たちがたまるので、「波濤図」がまったく見れないのが残念)。

等伯の構図の妙は図録を見て(買ってしまった)、後から改めて感動した。図録は買って正解。
(でも、東博だったらそのスペースは十分にあったんだろうなぁ・・・)

「松に秋草」は間近でダイナミックさが味わえる展では対局的なのかも。これはある程度近づくとよりいっそう感動が。

なんか自分が小さな虫になったみたい。

今日の感動はここらがピーク。後は後日眺めるつもりで、ささっとスルー。

水墨画のコーナーは人がたまってましたから。特に、「松林図屏風」の前は恐ろしい人だかり。並んでみる気もなく、後ろからは全く見えない。人垣が五重くらいになってた・・・

確かに、私自身、左右両隻を並べてみる機会はこれまではなかったんだけど、あの空間では土台無理だし。

もっと落ち着いて鑑賞するなら、東博に行くべきだ(たぶん、年に1回くらい公開するやろ)。

ほんと、つくづく、東博ではどんな展示の仕方をしていたのかが気になる。あの建物、もう少し大きくならんもんかいな。