廣中先生の講演会に行ってきた

出身研究室の打ち上げがあるにもかかわわらず、某しゃりんけんでやってる懇話会に行ってきた。

薬物依存がテーマで、某所で授業をもっていた私にとっては、実験や治療や政治の前線にいる人の話を聞いておく(そしてあわよくば顔を売る)のは必須だと思ったので。

実際、話を聞いて、哲学サイドからは見えにくい事情がわかったり、業界特有の事情の端っこをつかめたり、授業で使えそうな小話なんかを教えてもらったりと、期待以上に有益なセミナーだった。

セミナーの後の懇親会でも沢山お話を聞かせていただいて、なんか申し訳ないくらいにためになって。

それで勉強したは、哲学の業界で使われている言葉と臨床や実験の業界で使われている言葉とではかなり大きなギャップがあるようだ、ということ。この点は論文書く時にちょっと気をつけなければならんところ。

それから、現在の日本では司法と行政と臨床の現場とが反対方向を向いているということ。薬物事件の厳罰化が進む一方で、臨床の方では早期治療とか社会復帰のために道徳的責任の削減を求めている。

私の中では法的責任と道徳的責任を反対方向に変化させるなんてことはちょっと考えにくいんだが、薬物犯罪に関わらず、犯罪者一般に厳しい日本人(というふうに私としては近年感じざるを得ないのですが)には一層無理なんじゃなかろうか。

最近、薬理の方でも自由意志とか心の問題とかが関心事になっているようで、酒の勢いなんだろうが、「来年学会でシンポしよう!」とかいう話にまで盛り上がった(その場ではね)。

酒の上の話だけでなく、是非実現させたいものです。とりあえず、今年の名古屋の学会に行ってみるか。でも、大会参加費高いんだろーなー。